静けさと彩りと

*そふぃーの森*

新幹線にて

一人で新幹線に乗る機会がありました。
車内で軽食を済ませ、様々な確認事項も
移動中に済ませようと考えつつ
バタバタと飛び乗りました。
時期と時間のせいか車内は空席も多く静かで
作業がはかどるだろうと安堵し
何から手をつけようかと考え始めた時
1つ席を挟んだ隣席のご婦人に声をかけられました。

荷物がかなり多かった そのご婦人は
2人の間の空席に荷物を置いても良いかと
丁寧に話され 私がどうぞと答えた辺りから話しかけられては答える…
という事を繰り返し
いつの間にか彼女のペースで会話が続いていました。

パッと見た雰囲気から旅行なのかなと思い
出来るだけ失礼の無いようにお答えし
楽しい旅行気分をこわさぬようにと
心の中で思いながらのやりとりで。
返事をする度 そこで会話を終わらせたつもりで
わたしの作業を始めようと思うものの
なかなか会話は終わらず そのうち
すっかり話し込むかたちになりました。

見知らぬご婦人と移動中の新幹線で
かなり立ち入った話をする
というか聞くというのは
これまでのわたしには無かったのですが
祖母は せかせかせずに隣り合った方と
世間話をしていたなぁと思い出しながら
わたしも良い意味で
おばさんの仲間入りかしら?!と思うと
バタバタと乗り込んだ数十分前の自分が
滑稽に思えてきてしまいました。

ご婦人は、わたしより年上だと思うのですが
ご家族の話を聞いて、それほど年齢差は
ないかもしれないという気がしています。
ネットでもそうですが
少々距離感のある人への方が
話しやすいという事もあるものです。
ちょっと弱音をはいたり
見知らぬ人との新鮮な話が楽しかったり
旅行中という非日常が
特別にそうさせるのかもしれません。

なにやら不思議な事に気に入って頂けて
LINEのお友だちになりましょう と誘われ
不慣れな操作で登録しました。
ご婦人は先に新幹線を降りましたが
その後わたしは、のんびり景色を眺めて過ごしました。
ただ、善良な方ではあるにせよ
LINEを教えて大丈夫だったのか気になり
知人にたずねたところ
「良いことだと思うよ」と返信が。

後日、親しい人にこの事をお話すると
わたしの話し方は会話を促しているようだ
と言われ驚きました。
わたしなりの会話を終わらせる言い方が
全く伝わっていなかったようです。

一期一会でLINEはきていませんが
奇妙な時間だったなぁと今でも思います。